カラオケのマイマイクと言えばケーブルを挿せば使えるダイナミックマイクですが、最近はヒトカラ専門店でコンデンサーマイクを使えるお店もありますよね。
今回はカラオケでコンデンサーマイクを使う際に必要な機材と接続方法、接続時の注意点について書きたいと思います。

コンデンサーマイクを使う時に必要なもの
ダイナミックマイクであれば、マイク本体とケーブルを持っていき、カラオケ機器本体に接続するだけで使えるのですが、コンデンサーマイクを使う際はマイク本体とケーブル以外にも色々と必要です!
- 必須:ファンタム電源
- 必須:マイクケーブル
- 必須:ポップガード / ウインドスクリーン
- マイク形状によって:マイクスタンドとショックマウント
ひとつずつ説明していきます。
必須な機材その1:ファンタム電源
コンデンサーマイクを動かすにはファンタム電源という48Vの電源が必要になります。
コンセント(100V)よりも低い電圧をコンデンサーマイクに供給する機材で、コンセントに接続して使うものや、電池で動くものがあります。
お手頃な価格帯のものですと、以下の2つがおすすめです。
BEHRINGER(ベリンガー) PS400
この子はACアダプターのみで動くタイプです。安いのに全然ノイズがのらないところが気に入っています。コンセントを使ってもOKなカラオケ店であればこちらがおすすめです。
MACKIE(マッキー) M48
こちらは先程のPS400よりも若干高いですが、ACアダプター以外に9V電池でも動きます。ACアダプター、電池のどちらで動かしてもノイズがのらない優秀さ。
よく行くカラオケ店がコンセント使えない場合はこちらの方がおすすめです(コンセント使っちゃ駄目なのに勝手に使ってしまうと電気泥棒になってしまいますからね…!)
必須な機材その1:マイクケーブル
マイクケーブルは種類が違うものを1本ずつ準備する必要があります。
まずはLR(メス)ーXLR(オス)ケーブルを1本。ファンタム電源とコンデンサーマイクを繋ぐケーブルです。
それからXLR(メス)ーフォンケーブルを1本。こちらはファンタム電源とカラオケ機器を繋ぐケーブルです。
どちらも3m程度のものを買っておけば合計6mになるので、そこそこ広めの部屋で使っても十分な長さがあります。いつも狭い部屋だよという場合は、どちらかのケーブルを1.5mにしても問題ないと思います。
必須な機材その3:ポップガード / ウインドスクリーン
コンデンサーマイクは繊細です。歌った時に唾が飛んでしまってマイクにつくと、そこから劣化していきます。長持ちさせるためにポップガードもしくはウインドスクリーンをつけましょう。
こちらはオーソドックスなタイプのポップガード。布製のものだと高音を持っていかれてしまうので、高音を削がれたくない人は金属製の方がおすすめ。逆に高音がキンキンしがちなのが気になる人は布製のものを選ぶのが良いです。
ラージダイアフラムのコンデンサーマイクはこちらのポップガードがおすすめです。
ハンドヘルド(手に持って歌える)タイプのコンデンサーマイクはウインドスクリーン(マイクのグリル部分をぐるっと覆うスポンジ)をつけて保護しましょう。
購入する時はマイクの仕様書を見て、グリル部分のサイズに合うかどうか確認しましょう(そうしないときつすぎて入らなかったり、逆にぶかぶかになったりします)
場合によって:マイクスタンドとショックマウント
ハンドヘルドタイプのコンデンサーマイクでなければ、マイクスタンドも必要です。
ストレートのものだと足や手が当たりやすくマイクに衝撃を与えてしまう可能性が高いので、買うならブーム型がおすすめです。
こちらだと、ストレート型としてもブーム型としても使えるので便利です。
また、マイクスタンドにはショックマウントをつけましょう。
ショックマウントは文字通り、衝撃を吸収してくれます。これを付けずにコンデンサーマイクを直接マイクスタンドに付けた場合、マイクスタンドになんらか衝撃があった場合にコンデンサーマイクにその衝撃がダイレクトに伝わってしまいます(最悪壊れます)
こちらはショックマウントと一緒にポップガードもついてくるのでおすすめです。
カラオケ機器への接続方法
必要なものを持って、カラオケ店へ。
最近だと自分専用マイクが安心ということで、フロントでマイクを売っているカラオケチェーン店もある程で、大抵のカラオケ店は持参したマイクの接続をOKしてくれます。
しかし方針はお店それぞれ。初めてマイクを接続するお店の場合は念の為、「自分の持ってきたマイクを繋いでもいいですか?」と店員さんにたずねておくのがよいでしょう。
接続する際に注意するポイントは、マイクを繋ぐ時も抜く時もカラオケ機器のボリューム類を全て下げた状態で始める、ファンタム電源を入れるのはケーブルを全部繋いでから、ボリュームを上げる時は様子を見ながら少しずつ、です。
カラオケ本体にコンデンサーマイクを繋ぐ手順
- カラオケ機器の設定値やつまみを元に戻せるよう記録しておく
- カラオケ機器の音量やエコー等をすべてゼロにする
- コンデンサーマイクをマイクスタンドに設置する
- コンデンサーマイクとファンタム電源をケーブルで繋ぐ
- ファンタム電源とカラオケ機器本体をケーブルで繋ぐ
(差込口が背面にある場合は他のコードを抜かないよう注意) - すべて結線できたのを確認してからファンタム電源を入れる
- 少しずつ音量を上げて調整する
カラオケ機器からコンデンサーマイクを抜く手順
- カラオケ機器の音量やエコー等を全てゼロにする
- ファンタム電源を切る
- 20秒ほど待つ
(ファンタム電源を切った後もマイクにしばらく電圧が残るため) - カラオケ機器側のケーブルを抜く
(ここまでくればカラオケ本体やスピーカーは安泰) - コンデンサーマイク側のケーブルも抜き、マイクと周辺機器を片付ける
- カラオケ機器の音量やエコー等の設定を最初の状態に戻す
帰る前にきっちり原状復帰できると完璧ですね!
カラオケ本体のどこにケーブルを挿せばいいの?というお話はこちらの記事で解説してます。

カラオケ用におすすめできるコンデンサーマイク
コンデンサーマイクはどんなものを使うのが良いのかというお話です。
「カラオケ以外にも歌ってみたの録音に使ったりするので、性能の良いコンデンサーマイクが欲しい!」という方を除いては、カラオケ店に持っていくのは安価なコンデンサーマイクをおすすめします。
複数人で行く時は大丈夫なのですが、例えばひとりカラオケでドリンクを取りに行くシチュエーション。
どのみちカラオケ店の録音サービスで高価なコンデンサーマイクを使っても、マイクの性能を活かしきることはできません。
というわけで、万が一盗難、破損があってもそれほどお財布に打撃を受けない子たちを紹介していきます。
BEHRINGER(ベーリンガー) C-1
コストパフォーマンスが圧倒的に高くておすすめできるのが、ベーリンガーのC-1です。
サイトにもよりますが、4000円~5000円くらいで手に入ります(安い…)
それなのに音質はよし。ホワイトノイズ(サーッっていうノイズ)ものりませんし、ボーカルだけでなく楽器の収録にも使えます。
専用のキャリングケースもついているので、持ち運びも安心です。ラージダイアフラムのコンデンサーマイクでカラオケに連れて行くなら、個人的にはこの子が一番推せます。
Marantz Professional(マランツプロ) MPM-1000
こちらも諸々ついてきて6000円台で、個人的にお気に入りのマイクです。
お値段の割に集音力が申し分なく、音に艶やかさがあります。
さらに良いのが、ショックマウントもXLRケーブルもウインドスクリーンも最初からついているところ。あとはマイクスタンドとファンタム電源を買い足せばいいので、かなり安く済ませられます(付属のデスクトップスタンドを使ってカラオケで歌うのはさすがに難しかった)
最近カラオケに行かなくなって出番が少なくなってましたが、自宅での配信や簡易的な録音の時に役立ってくれています。このくらい安いと配信にも気兼ねなく使えていいですね。カラオケ店で使う以外に、配信と兼用する予定の人におすすめできる一本です。
Audio Technica(オーディオテクニカ) AT2020
安価な価格帯でもう一本おすすめできるとしたら、やっぱりAT2020です。
同じ価格帯のコンデンサーマイクの中で音の抜けがいいですし、癖のないきれいな音をしています。上手い人は上手く聞こえます(下手な人はそのまま下手に聞こえるとも言えます)
こちらはカラオケ店にも持っていくし、歌ってみたでも使いたいという人におすすめです。このくらいの性能があれば、歌ってみたも十分楽しめます。
先に紹介したBEHRINGERのC-1は「高音寄りな音」、マランツプロのMPM-1000は「艷やかさプラス」、AT2020は「素材そのままの音」といった印象です。味付けがないのがお好みであればAT2020が一番おすすめです。
Audio Technica(オーディオテクニカ) AT2010
最後はハンドヘルドタイプの紹介です。
自分で使ったことのあるハンドヘルドタイプのコンデンサーマイクの中で、この価格帯ならカラオケ用途にしてもいいかな…と思うのはAT2010。個人的にはこれ一択です。
理由は、これよりも安いハンドヘルドタイプのコンデンサーマイクをいくつか買った結果、どの子も音が微妙で3本ほどお蔵入りしたからです(散財)
逆に、これより高いハンドヘルドタイプのコンデンサーマイクは、カラオケに持って行く道中で壊したりしたら泣いちゃいそうなので、大事な時にしか外に持っていかないという。カラオケ用途にはちょうど良い子です。
AT2010はハンドヘルドタイプなので、文字通り手で持って歌えます。普通に歌う分にはハンドリングノイズも入りません。
ショックマウントもマイクスタンドも持っていかなくてよい分荷物が軽くなるので、今日のカラオケはコンデンサーマイクで歌いたい気分!という時はこの子を連れて行ってます:)
ただし、マイクを握る方の手が動いてしまう人(歌ってる最中に頻繁にマイクを握り直したり、マイクを握ってない薬指や小指で無意識にマイクをトコトコ叩いちゃう人)はさすがにハンドリングノイズが出ます。
持ち方に気をつけて歌うか、それが無理な場合はハンドヘルドの意味がほぼなくなりますがマイクスタンドを使いましょう。
このあたりまでのお値段のコンデンサーマイクであれば、最悪カラオケ店に持ち運んでるうちに壊れたり、うっかり落として壊したり、盗難にあったりしても大打撃を受けずに済む…かな?
余談:コンデンサーマイクのここが大変
実は私、個人的にはカラオケ店で使いたいという理由でコンデンサーマイクを購入するのはそんなにおすすめではありません。
カラオケ店で楽しみたいだけなら、ダイナミックマイク推しなのです。
他の用途でコンデンサーマイクを使う予定があるならまったく問題ないのですが、カラオケ店で使うオンリーであれば、わざわざコンデンサーマイクにする必要は無いよなと個人的には思います。
その理由は大きく3つ。余談として書いておきたいと思います。
ダイナミックマイクより保管が大変
コンデンサーマイクはダイナミックマイクと比べて衝撃や湿気に弱いです。
ダイナミックマイクだと多少落としても壊れないですし(もちろん落とさないほうがいいですけどね)、付属のケースに入れてその辺にポイッと置いておいても特に問題ありません。
しかしコンデンサーマイクは落としたら一発で壊れることも珍しくありませんし、保管の際は湿気を避けるために専用の保管庫(デシケーター)に入れたりします。
安いコンデンサーマイクであれば密閉できる容器(大きいタッパー等)に衝撃を与えないためにウレタンスポンジを入れてマイクと乾燥剤を入れて保管してもOKですが、それでもダイナミックマイクと比べて手間がかかることに違いはありません。
カラオケ本体との接続に気を遣う
自分の機材とコンデンサーマイクを繋ぐ時は失敗したところで自分の機材が壊れるだけなのでよしとして(よくないですけどね)、カラオケ店でカラオケ本体と接続する時は、カラオケ店の備品に影響がないように結構気を遣います。
ダイナミックマイクであれば機材の音量を全部ゼロにして→マイクを接続して→音量確認しつつちょうどいい感じに調整して…抜く時は逆の順番!だけ。シンプルです。
しかし、コンデンサーマイクの場合はファンタム電源から電力を供給して動かす手前、機器の接続が終わっていないのにうっかりファンタム電源を入れたり、ファンタム電源を切る前にケーブル抜いたりすると、それだけでコンデンサーマイクが壊れる恐れがあります(繊細)
また、扱いを間違うとマイクが壊れる恐れがあるだけでなく、カラオケ店の備品(スピーカーやカラオケ本体)にも影響が。最悪、壊してしまう可能性もあります。
自分のマイクが壊れるのはまあよしとして(よくないですけど)、カラオケ店に迷惑をかけるのはいけませんよね。カラオケ店の機器を壊してしまった場合は当然弁償することになりますが、そのお部屋がしばらく使えなくなったり、機器を修理したり、新しい機器に替えたりといった作業をお店側に発生させてしまう。カラオケ愛好者としては想像しただけで申し訳なくなります。
カラオケ店だとノイズ入りまくり問題
ひとりカラオケ専門店で設置されているコンデンサーマイクを使って録音サービス(DAMとも録音、DAMとも動画、うたスキ動画)で遊ぶと、ダイナミックマイクと比べてかなりクリアに録音できます。カラオケ演奏をヘッドフォンで聴きながら歌うので、部屋の中が静かで良いんですよね。
ただ、そうではない普通のカラオケでコンデンサーマイクを使って録音すると、部屋の中のカラオケ演奏、スピーカーから出てくる自分の声、そしてマイクの性能やマイクを置いた場所・向きによっては廊下で流れているBGMまで入ってしまいます。
ものすごくざわざわして聞き苦しくなるので、カラオケ店の録音サービスで遊ぶ際にきれいに録音したいというのがお望みであれば、コンデンサーマイクを選ぶのは個人的にあまりおすすめできません。
例えば楽器演奏を録音したい、弾き語りで演奏とボーカルを一度に録音したい等、コンデンサーマイクの方が都合が良い場合を除いては、ダイナミックマイクの方が余計な音が入らなくておすすめできます。
もし余談を読んでみて「じゃあダイナミックマイクにしようかな…」と思われた方は、こちらの記事でおすすめのダイナミックマイクも紹介してます。よろしければ覗いてみてください。

まとめ:コンデンサーマイクをカラオケ本体につなぐ時は手順に気をつけて!
今回はカラオケでコンデンサーマイクを使う時に必要な機材や接続方法、カラオケ用におすすめできるコンデンサーマイクについて書きました。
ダイナミックマイクと比べて機材が必要な点と、カラオケ本体に接続する時に注意が必要な点はありますが、カラオケ店でも自分のコンデンサーマイクを繋いで楽しむことは可能です。
カラオケ店で使う場合は、くれぐれもお店に迷惑をかけないよう気をつけた上で、いつもと一味違うカラオケを楽しんでください:)