こんにちは、Tsugumiです。
エレキバイオリンを買って独学開始→途中でアコースティックバイオリンを購入し、今は2台目のエレキバイオリンを使ってます。
今回は、これからバイオリンの練習を始めようと思っている方に向けて、初購入の場合にアコースティックバイオリンとエレキバイオリン、どちらを選ぶのがよいのかというお話をしたいと思います。
アコースティックorエレキバイオリン。選ぶ決め手は練習環境と練習予定
アコースティックバイオリンもエレキバイオリンも持っている私個人の結論としては、初めて買うならアコースティックバイオリンの方がおすすめです。
その理由はエレキバイオリンの練習から入った場合、何らかの理由でアコースティックバイオリンを使う必要が出た時にアコースティックバイオリンに対して弾きづらさを感じることがあるためです。アコースティックバイオリンから入り、場合に応じてエレキバイオリンも使うという順番にした方が、練習時の違和感が少なくて済みます。
そんな経験から1本目はアコースティックバイオリンを買う方がおすすめなのですが、アコースティックバイオリンは非常に音が大きい楽器。
練習環境と、今後どう練習する予定なのかによっては、最初からエレキバイオリンを選択した方が良い場合もあります。
ざっくりと分類すると以下のようになります。
アコースティックバイオリン (はじめてならこちらがおすすめ) |
エレキバイオリン | |
練習環境 |
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練習予定 |
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それぞれみていきたいと思います。
こんな人にはアコースティックバイオリンがおすすめ
先程述べたように、初めてのバイオリンであればアコースティックバイオリンの方がおすすめです。
例えば一軒家に住んでいて隣家と距離があるため、音の問題をさほど気にかけなくてよいという方、練習環境の騒音対策がしっかりしている方、もしくは近くに練習できる施設がある方は、アコースティックバイオリンを購入して練習を始める方が良いと思います。
特に、バイオリン教室に通う予定がある方。アコースティックバイオリンでなければレッスンが受けられない場合が多いです。どちらを購入するか悩んでいる場合はアコースティックバイオリンを選ぶ方がおすすめです。
また、今は騒音対策をしていないけど、追加で騒音対策が出来るという方もアコースティックバイオリンを選んでよいと思います。最近は防音材や吸音材が通販で手に入りますし、賃貸でも床や壁を傷つけずにできる騒音対策もあります。騒音対策を頑張れるという場合は、アコースティックバイオリンから入る方がおすすめできます。
初めてさんにおすすめのアコースティックバイオリン
初めての方におすすめできるアコースティックバイオリンを3つ厳選して紹介します。
Eastar バイオリン初心者セットEVA-3
まずは安さ最重視の1本、EastarのEVA-3初心者セットです。
アコースティックバイオリンでの独学を考えておられる方で、とにかくコストを最小限に押さえたいという場合は、これでも良いかなという1本です(1万円切ってくるの本当にすごい)
ただし、レビューを見ていただくとわかるように、安いなりの音です…!
アコースティックバイオリンは上手い人が鳴らせば激安のバイオリンでもそれなりの演奏に聞こえるのですが、初心者(例えば私)が弾くと安さが露骨に音に現れます。
ただ、初心者だと正直そこまで音の善し悪しがわからない。わからないからこそ、最初からそこそこ音の良いものを使って練習した方が耳に良いのですが、独学するので自分1人しか演奏を聞かない場合、自分で納得して選ぶならこれでも良いだろう、と思います。
このバイオリンセットが初心者におすすめできるのは、クリップ式のバイオリンチューナーと予備弦付きなところ。そして、指板にすでにマークが付いているという点です。
独学でやるとなると先生に目印を付けてもらえないので、指板のどのあたりを左指で押さえれば良いのか、自分で把握しないといけないんですよね(自分で目印を書いたりシールを貼ったり、バイオリンフレットシールをべたっと貼ってみたり…)
しかしEastarのEVA-3は、元々指板にマークが付いているので、そういった手間が省けるのが非常に良いところ。お財布への負担も少なく、ひとりで音を取る目安もあるということで、バイオリン初心者の独学におすすめできる1本です。
もしバイオリン教室用に買いたいという場合は、次に紹介するものの方がおすすめです。
Grazioso グラッツィオーゾ GV-0 初心者向けセット
次に紹介するのは、弦楽器専門メーカー「サクラ」のオリジナルブランド、Grazioso(グラッツィオーゾ)の初心者向けセットです。
(2023/12/01 12:05:01時点 楽天市場調べ-詳細)
こちらは実際に私がバイオリン教室で使う用に購入したアコースティックバイオリンです。
もっと安いアコースティックバイオリンも通販で手に入りはするのですが、バイオリン教室で練習に使うバイオリンは最低限4~5万円程度のものを選んだ方が、音の悪さで後になって買い直すということが少なくて済むんだそうです。
私の場合はこれを買った直後に「これ練習に使っても大丈夫ですか!?」と教室の先生におたずねしたのですが、先生がしばし弾いた後に「うん!十分使えますね!」とのお言葉をいただけてホッとしました:)
Grazioso GV-0の初心者セットは付属品でいくつか種類がありまして、中でも9点セットはチューナー、ロジン(松脂)、肩当て、予備弦、バイオリンミュート(弱音器)、お手入れ用のクロスが付いている点がおすすめです。
あとは譜面台とお好みのテキストを足せば、快適に練習を始められます。
YAMAHA Braviol バイオリンセット V7SG 4/4
最後に紹介するのは、YAMAHA Braviol(ブラビオール)のバイオリンセットV7SGです。
YAMAHA製で一番手の届きやすい価格のバイオリンセットになります(この価格でヤマハ製のものが買えるのすごい!)
本体の鳴りが良く、初心者には十分な楽器です。先程ちらっと書きましたが、練習をする時にそれなりの音を耳にしたほうが良いというお話がありまして。音が良ければ音程も取りやすくなりますし、何より練習するのが楽しくなります。
YAMAHAのBraviolであればバイオリン教室用に購入しても安心して使用できると思います。
こんな人にはエレキバイオリンの方がおすすめ!
基本的にはアコースティックバイオリンから入る方がおすすめとはいえ、何せバイオリンは音が大きい…!
アパート等にお住まいで、隣室から音が聞こえてくる環境だったり、一軒家だけれどお隣さんとの距離が近かったりな環境でアコースティックバイオリンを弾くと、騒音で苦情を受ける可能性が大いにあります。
近くに防音設備のある練習場所があればよいのですが、そういった施設が無かったり、あったとしてもこの頃はそう頻繁には外出できませんよね。
したがって、自宅で静かにバイオリンを学びたいという方には、アコースティックバイオリンよりも音が小さいエレキバイオリン(電子バイオリン)の方が断然おすすめです。
多くのエレキバイオリンは外枠だけ残したような形をしており、大きな音を出して演奏する時は振動をピックアップで電気信号に替え、それをアンプに繋いで増大し、スピーカーから音を出します。
したがって、何も繋がずにそのまま弾く場合はアコースティックバイオリンに比べてかなり音が小さくなります。
実際に私が使っているアコースティックバイオリンとエレキバイオリンの音を騒音計で測ったことがあるのですが、騒音の目安と並べてみるとこんな感じです。
騒音の大きさ | 聴覚的な目安 | 実際の音でいうと | |
アコースティック バイオリン |
80~90デシベル | きわめてうるさい 会話が不可能 |
カラオケ・パチンコ店内 救急車のサイレン |
エレキバイオリン | 70~80デシベル | うるさい 大きな声なら 会話ができる |
電車の車内 セミの鳴き声 |
エレキバイオリン +バイオリンミュート |
60~70デシベル | 普通 会話が可能 |
テレビの音 トイレを流す音 |
アコースティックバイオリンは楽器本体の鳴りのよさ、そして鳴らす人、鳴らし方によって、100デシベくらいになることもあります。騒音レベルとしては電車が通る時のガード下くらい。防音なしの環境では確実に迷惑になる音量です。
エレキバイオリンはアコースティックバイオリンと比べるとかなり音がおさえられ、日中なら自宅でも問題なく練習できます。そこにバイオリンミュート(弱音器)をつけてさらに振動をおさえれば、テレビの音やトイレを流す音など、普段の生活で出るレベルの音量まで下げることができます。

そんなに音が小さくて、練習には困らないの?
バイオリンはノンフレットの楽器で、左手の指で弦をおさえて音程を取ります。
正しい音程で弾くには音をしっかり聴く必要があるので、「エレキバイオリンみたいに音が小さくても練習になるの?」と思われる方もおられるかもしれません。しかし、これについてはまったく困りません。
私も休日の昼間や平日のまだ遅くない時間はエレキバイオリン単体で練習して、夜遅くにどうしても練習したい時はエレキバイオリンにバイオリンミュート(弱音器)をつけ、ヘッドフォンで音を大きくして練習してます。
それほど電気をくわないので使い捨ての電池でも結構長持ちします。私は充電式のものを買って繰り返し使ってますが、充電頻度が低いのでかなり長持ちしてます(まだ2個目かな?)
初めてさんにおすすめできるエレキバイオリン
それでは、初めての方におすすめできるエレキバイオリンを4つ厳選して紹介します。
Ennbom 初心者入門セット
まずは安さ最重視の1本。Ennbomの初心者入門セットです。
これは私がバイオリン独学を始めた時に実際に買ったエレキバイオリンです。当時はバイオリンの独学が続けられるか不安で、途中で諦めてしまっても負担にならないよう一番安いものをと思って購入したのですが、結局この子に1年以上お世話になりました。
安さは本当に断トツです。
かつての私と同じように「続けられるかどうかわからないので、安いものが良い」という方にはおすすめできますが、実際に1年以上使っていた身といたしましてはデメリットも多い子です(親の贔屓目?になりますが、手がかかってかわいいとも言えます)
付属品とペグに難あり
実際に使ってみて難ありだなと思ったのは、付属品とペグ(弦を巻く部分)です。
まず付属品の松脂(ロジン)は他の方のレビューにもあるようにパキパキになっていて使い物にならないことが多いようです(私もそうでした)
また、付属品の弓が変にねじれているというレビューもあります。私もそうだったのですが、なにぶん初めてだったもので気づくまでに随分かかりました…松脂を新たに買い、弓も新調することになりまして、安く買った意味がだんだんと薄らいでました(懐かしい)
ただ、付属品は買い足せばいいのでまだ良いのです。
問題はペグ(弦を巻く部分)です。
バイオリンの上の方にある、4つのペグを締めたり緩めたりしてチューニングするのですが、この部分が固くて回しづらかったり、チューニングした後にすぐ緩んできたりして、初心者の私はチューニングの時点で非常に手こずりました。
ただ、初めてのバイオリンだったので「こういうものなんだろう」と思い、自分で調べては緩みやすいペグにチョークを塗って滑り止めしてみたり、結構力を入れて押し込んでみたりしてどうにかこうにか使ってました。
最後は練習中あまりにもE線が緩まってくるので、もっとペグを押し込まないといけないのかな?と思ってやってみたらペキッといきまして。
しかし新しいエレキバイオリンを購入してびっくり。ペグを回す感じが全然違う。回しやすいし、よく止まる。ようやくそこで「あっ…Ennbomのやつ、ペグが良くなかったんだ」と気づきました。時既に遅しでした。
我慢強い人なら大丈夫なのかも
先程の話を踏まえると、我慢強いタイプの人でなければ、せっかく安くで買っても使いづらさのせいで元が取れるまで使えないのではないかと思います。
私の場合は初めてのバイオリンだったというところと、この片方のフレームが欠けたフォルムにとても愛着がありました(必殺技とか使えそうで格好良いですよね)ので、不満があっても壊れるまで根気強く使えていたんだろうなと、今になって思います……
私が購入した当時は9,900円(税込みで1万円切ってた)で、その子が1年以上頑張ってくれたので、少なく見積もって12ヶ月で割ったとしても、1ヶ月あたり約830円!
月額900円未満で私の人生をこんなに楽しくしてくれたものは、Ennbomのエレキバイオリンを除いて他にありません。感謝です。
もしこれを購入されて、ペグを回した時にパキパキいうようであれば、ペグコンポジションを塗るとかなり良くなります。
また、アジャスターを回す時に指が痛いようだったら、背抜き手袋をはめて回すことをお勧めします(無理をすると人差し指の腹が痛くなって、弓を持つのに支障が出ます…!)
もう少し予算が割ける場合、次に紹介するものの方がおすすめです。
キクタニ エレクトリックバイオリン ESV-380
次は日本の楽器輸入・販売会社キクタニさんが取り扱っているエレキバイオリンESV-380です。
これもまだまだ安いですが、先程紹介したEnnbomのエレキバイオリンに比べるとかなりレビューが良いです。
表面に無駄なボタンやスイッチがないので、練習中に邪魔になったり、松脂の粉がスイッチの隙間に入ってお手入れしづらいということもなさそうな点も良いですね!
また、フレーム部分がかなり細いデザイン。振動するボディ部分が大きく削られているため、夜間の練習にも持ってこいです。
Carlo Giordano Silenzia EV-202
次に紹介するのはCarlo Giordano(カルロジョルダーノ)のSilenzia(シレンツィア)EV-202というエレキバイオリンです。
こちらは私が現在使っているエレキバイオリン。
1台目のエレキバイオリンが壊れてしまった時に、次に何を買うか悩んだ末、当時愛用していた池田先生の初心者向けヴァイオリンレッスンDVDの楽器セットと、同じエレキバイオリンを探して購入しました。
カルロジョルダーノのシレンツィアは通販で買えるエレキバイオリンの中では価格の手頃さと使いやすさのバランスが際立っています。
リーズナブルな価格でありながら、ペグも問題なし、音も小さい、ヘッドフォンをつけて使っても変なノイズもなく、きれいな音を楽しめます。付属の弓も問題なく使えています。
買ってからもう1年半経とうとしてますが、不満な点はゼロ。弦を何回か張り替えたのと、最近ちょっと弓の毛が減ってきましたが、まだまだ平気。本体の方は壊れる気配すらないです。
初心者が最初に買うエレキバイオリンとして、個人的にはシレンツィアが最推しです。
ヤマハ YAMAHA サイレントバイオリン YSV104
3本目はYAMAHAのサイレントバイオリン、YSV104です。
このブログにも「エレキバイオリン サイレントバイオリン 違い」と調べた結果、いらっしゃる方がおられるようなのですが、この『サイレントバイオリン』というのは、YAMAHAの電子バイオリンの商品名なのです。
エレキバイオリンは共鳴するボディを持たない構造なのでアコースティックバイオリンよりも音が静か。この「静か」→「サイレント」というところから、「ん? エレキバイオリンとサイレントバイオリンって同じ意味? それともサイレントバイオリンの方がより静かってこと?」と疑問に思われるかもしれませんが、サイレントバイオリンはヤマハの商標、エレキバイオリンは電子回路を持ったバイオリンの総称になります。
ただ、「エレキバイオリンといえばYAMAHAのサイレントバイオリン」と言われるほど、YAMAHAのサイレントシリーズがあまりにも有名なので、いつのまにやら「エレキバイオリン=サイレントバイオリンなの?」という感じになってしまったらしいですね:)
YSV104は2017年5月発売のモデルということで、YAMAHAのサイレントシリーズの中では、初心者でも手の届きやすい価格まで下がってきました。
もし長く練習を続ける決意があるのであれば、初めてのバイオリンから良いものを使う方が断然おすすめです。
また、YAMAHAのサイレントバイオリンといえばSV250も候補にあがるのですが、さすがに1本目からこのお値段は、個人的に手を出しづらい…!
さすがにレビューは圧倒的。私も最終的にはこの子が欲しいので、今は安くなる機会をうかがっています:)
番外:ヤマハ エレクトリックバイオリン YEV104
初めての人へのおすすめからは外れてしまうのですが、最後に私が3台目のエレキバイオリンとして欲しいと思っている子を紹介しておきます。
次に買おうと思っているのが、YAMAHAのエレクトリックバイオリンYEV104です。
そんな理由で買うなよとお叱りを受けそうですが、これをひと目見た時から欲しくてたまらなくて(すみません)。
しかも平安式舞提琴隊を知ってさらに欲しくなって。
おふたりとも格好良し…!
こんなに独特な形をしているYEV104ですが、アコースティックバイオリンと同じ感覚で弾けるということで、3台目は絶対にこの子を買うぞと決めてます。
2本目、3本目に持つエレキバイオリンとしては、YEV104もおすすめできそうです。また購入したら詳しくレビューを書きたいと思います:)
まとめ:練習環境や練習方法によっておすすめバイオリンは変わってきます
以上、アコースティックバイオリンとエレキバイオリン、どちらを買うのがおすすめかというお話でした。
また、アコースティックバイオリンとエレキバイオリン、それぞれについて初めてバイオリンを持つ人におすすめしたいバイオリンを紹介しました。
私も最初の1本を買う時は本当にドキドキしました。
それが手元に届いて、初めてのチューニングに苦戦して、弓に松脂を塗ってもなかなか音が出なくて。ようやく音が出た時の嬉しさが今でも強く印象に残っています。
その後の練習も上手くいかないことのほうが多いですが、バイオリンに触れている時間は本当に癒やしと楽しさに溢れています。バイオリンを始めてみようという気持ちをぜひ大事になさってください:)
